猫の目は近視って知ってました？赤とピンクが識別できない？目が光る理由や猫の動体視力について解説

猫と人間との関係は長い歴史を持ち多くの家庭で猫は愛されるペットとして飼われています。猫の魅力の一つはその神秘的な目ですが、猫の視覚は人間とどのように異なるのでしょうか？今回は猫がどのように世界を見ているのか、そしてその特異な視覚がどのように進化してきたのかを探ります。

猫は近眼で、ある程度の距離からはぼんやり

猫の視覚能力: 近視の真実

一般的に、猫は近視に近い視覚を持っているとされます。これは、猫の目が近くの物をより詳細に見ることに特化しているためです。猫は数メートル先の物体を非常に鋭く捉えることができますが、それ以上の距離では物の細部を見ることが難しくなります。これは猫が狩猟を行う際に、近距離での正確な動きを捉える能力が非常に重要であるため、そのように進化した結果です。

猫の目の構造と機能

猫の目には、いくつかの顕著な特徴があります

• ロッド細胞の多さ
  • 猫の網膜には光を感じるロッド細胞が豊富にあります。これにより猫は薄暗い環境でも見ることができ、夜間の狩猟に有利です。
• タペタム・ルシダム
  • 猫の目の後ろにある反射層で受けた光を網膜に再反射させます。これが猫の目が暗闇で光る理由であり微弱な光でも効果的に利用できます。
• 瞳孔の形状
  • 猫の瞳孔は縦長で光の量に応じて大きく変化します。これにより猫は明るい場所と暗い場所の両方で視力を調整できます。

狩猟するために特化した猫の目の特徴

人と猫を比較した夜間視力

• 人間
  • ロッド細胞（暗所での視覚に寄与）は約1億2000万個ですが、タペタム・ルシダムを持たず、暗闇での視力は限られています。
• 猫
  • ロッド細胞の数は人間と比較して少ないかもしれませんが、タペタム・ルシダムによって暗闇での視力が大幅に強化されています。

人と猫を比較した視野（視野角）

• 人間
  • 約180度の視野を持ちますが、そのうちの約120度が両目で重なる立体視の範囲です。
• 猫
  • 約200度の視野を持ち、より広範囲をカバーします。

＞＞＞猫の目の不思議｜成長で変化する瞳の色やオッドアイの理由とは

猫の動体視力の特徴

1. 反応速度
   • 猫は非常に速く動く物体にも迅速に反応することができます。猫の目と脳は動くものを瞬時に処理し、その動きに合わせて身体を調整する能力が優れています。
2. 夜間の動体検知
   • その優れた夜間視力と相まって、猫は暗闇での動体検知も非常に得意です。これはタペタム・ルシダムが反射する光を利用して視力を強化しているためです。

猫と他の動物の動体視力の比較:

猫の動体視力は非常に優れていますが他の動物と比較すると猫が特に際立っているわけではない部分もあります。猫の動体視力は主に彼らの狩猟行動に適したものであり特に夜間や薄暗い環境で小さな動きを捉える能力が強化されています。

1. 猛禽類（ワシ、タカなど）
   • 猛禽類は動体視力において非常に優れており空中から地上の小動物を発見し捕食することができるほどです。彼らの目は非常に大きく網膜上の細胞密度も高いため極めて鋭敏な視覚を持っています。
2. 犬
   • 犬は広い視野を持ち特に動く物体に対する感度が高いですが猫ほどの低光量での視力は持ちません。犬は狩猟よりも追跡に特化して進化してきたため動くものを長距離追う能力に長けています。
3. ネズミ類
   • ネズミ類もまた速い動きに反応する能力がありますが彼らの視力は捕食者から身を守るために発達しているため、広範囲を見渡すことができる猫のような視力とは異なります。
4. ウマ
   • ウマは広範囲の視野を持ち、動体視力も優れていますが、主に逃走の際に捕食者を識別するために進化しています。

＞＞＞ダチョウの視力はトップクラス?! 動物の視力・見え方について

猫の動体視力は非常に優れており、特に近距離での細かな動きを捉える能力は多くの動物と比較しても高いレベルにあります。しかし猛禽類のように遠距離からも非常に細かい詳細を捉える能力には及びません。猫の視力は彼らの生態系内での役割に適応して発達してきたため、その特性は狩猟と夜間活動に特化しています。

猫の目が光るのって狩の時にデメリットなんじゃない？

一見仮をする際に自身の位置がバレてしまうのはなんだか不利なような気がしていたのですがどうやら猫の目が暗闇で光る現象「タペタム・ルシダム」という特殊な反射層による効果は実際には猫にとって非常に有益な進化の産物なんです。

＞＞＞【マンガ動画】暗闇でネコの目が光るのは？人の目との違いに迫る

目は光るが利点が多い

1. 強化された夜間視力
   • タペタム・ルシダムは、光を網膜に戻すことで、非常に低い光量でも見ることができるように猫の目を助けます。これにより、夜間や薄暗い条件下での視力が大幅に向上し、猫は狩猟や探索を効果的に行うことができます。
2. エネルギー効率の良さ
   • 微弱な光を最大限に利用することで、猫は少ないエネルギーで環境を識別し、生活することが可能です。これは野生で生存するうえで大きな利点となります。

潜在的なデメリット

1. 位置の露呈(ろてい)
   • 光る目は、他の動物に猫の位置を知らせてしまう可能性があります。特に、捕食者や競争相手に対して猫の存在を示すことになるため、隠れる際に不利になることがあります。
2. 視覚的なノイズ
   • タペタム・ルシダムによる光の反射は、理論的には視覚的なノイズを増加させる可能性があります。これにより、非常に明るい環境下では視覚がやや歪むことがあるかもしれません。

しかし、全体として見るとタペタム・ルシダムによる利点はデメリットを上回りますね。猫が主に活動する夜間や薄暗い環境において、この進化的特徴は猫の生存と繁栄に大きく寄与しています。猫の目が光る特性は猫がより効果的な捕食者として進化する過程で自然選択された結果となんでしょうね。

猫は赤とピンクが識別できない？

猫から見た色の世界

猫の色覚は人間ほど発達していませんが、青と緑の色は識別できます。しかし、赤やピンクなどの色は識別しにくいです。また、猫は動く物体に対して非常に敏感でありこれが狩猟の際に役立ちます。夜間や薄暗い状況では、彼らの世界はほぼ白黒に近く、コントラストが強調されます。

人と比べた色覚の違い

• 人間
  • 三色型色覚を持ち、赤、緑、青の色を識別します。
• 猫
  • 主に二色型色覚で、青と緑に敏感ですが、赤色は識別しにくい。

4. 猫と人間の視線交流

猫が目が合うことを避けるのは、その行為が猫の世界で敵意のサインとされるためです。直接的な視線は脅威と捉えられがちで、猫にストレスを与えることがあります。猫との良好な関係を築くには、穏やかなまばたきを交えながら、柔らかい視線を送ることが推奨されます。

猫の視覚はその生態に見事に適応しており猫の行動や感覚に大きな影響を与えています。私たち人間にとっては、これらの知識を理解し猫とのコミュニケーションを深める一助となることでしょう。

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