色とりどりで嬉しくなっちゃう、猫の毛柄がねぜこんなにたくさんあるのか?兄弟でも違うことがあったり子猫の時と大人になった後で柄や色が変わったりするのは本当に不思議ですよね。これは両親や先祖が関わる「遺伝子」が原因です。この謎について解説していきましょう!
目次
一匹の母猫からいろんな柄の子猫が生まれた?なぜ?
兄弟でも違う色や柄の猫が生まれるのは、猫が「多父性(たふせい)」であることや、一度の妊娠で複数の卵子を産む「多胚排卵(たはいはいらん)」の特性、さらに複雑な遺伝子の組み合わせによるからです。
多父性(たふせい):1匹のお母さんから生まれた子猫でもパパが違う?
猫のお母さんは、一度の発情期に複数のお父さん猫と交配することがあります。
これにより、一つの妊娠で生まれる子猫たちが、異なるお父さんから遺伝子を受け継ぐことができるんです。つまり、同じお母さんから生まれた子猫たちでも、お父さんが違うと全く異なる遺伝情報を持っていることになり、それが色や柄の違いとして現れるんですね。
多胚排卵(たはいはいらん):猫って一回にたくさんの卵子を作るんです
猫は一度の排卵で複数の卵子を産むことができます。
このため、一度の妊娠で複数の子猫が生まれるのが一般的です。異なる卵子がそれぞれ異なる精子と結合すると、遺伝子の組み合わせが子猫ごとに異なるため、兄弟猫でも異なる毛色や毛柄を持つことになります。そして、複数のパパから遺伝子を受け継いだ子猫たちが生まれることになると、もっと多様性が増します
猫の見た目:遺伝子が絡み合って決まる
猫の毛色や模様って、実は遺伝子がすごく複雑に絡み合って決まるんです。毛色の基本は「黒」と「茶色」なんですけど、この二つの色を作るメラニンという色素の量やどこにどう分布するかが、遺伝子でコントロールされているんですよ。さらに、猫の体に斑点ができたり、縞ができたり全然模様がなかったりするのもまた別の遺伝子の仕業なんです。
>>猫の柄はもともと1種類しかなかったって本当? - 獣医師が解説
猫の毛色や毛柄は単一の遺伝子によって決まるわけではありません。複数の遺伝子が組み合わさって、その特徴を決定します。
たとえば、毛色に影響する遺伝子だけでも複数あり、それぞれが支配的(優性)か劣性かによって毛色が変わります。さらに、毛柄に影響を与える遺伝子もあり、これらが複雑に組み合わさることで、さまざまな色や柄の猫が生まれるのです。
このように、猫の毛色や毛柄の多様性は、多父性、多胚排卵、そして遺伝子の複雑な組み合わせによるもので、これが兄弟猫でも全く異なる見た目になる理由です。
遺伝子が世代を超えて影響することも
「潜在遺伝」というのがあって、これは特定の遺伝子が一世代おいてから現れることがあります。例えば、祖父母の特徴が親を飛び越えて、孫に現れたりするんです。これも猫の見た目が多様になる一因ですね。
>>なぜ猫には「いろいろな毛柄がある」のか? 猫の毛柄のヒミツ解説
例:縞(しま)とハチワレの両親の場合どんな柄の猫に?
縞(タビー)模様の猫とハチワレ模様の猫が両親の場合、生まれてくる子猫はどんな模様になるか、すごく気になりますよね。この組み合わせからは、いろんなパターンのかわいい子猫が生まれる可能性があります。それには、猫の遺伝子が大きく関わっています。
縞(タビー)模様の不思議
まず、タビー模様ってシマシマのことね。基本的には猫の定番で細い縞から太い縞、点々、さらには均等に色が分布している模様まで、タビーにはいろいろなスタイルがあるんです。これらのパターンは全部、遺伝子の組み合わせで決まります。
ハチワレの魅力
一方で、ハチワレ模様は白い毛と他の色の毛が混ざった可愛らしい模様。これは「白斑遺伝子」が作り出します。白斑遺伝子の強さによって、白い部分が多い子もいれば、少ない子もいます。
>>【猫の品種】現在の猫の種類は50種類以上あった!愛猫はどのタイプ?
縞(タビー)とハチワレ:生まれてくる子猫はどんな感じ?
この二つの特徴を持つ両親から生まれる子猫は、こんな感じになるかもしれません:
- タビーとハチワレのミックス
- 子猫はタビーの模様を受け継ぎつつ、白斑遺伝子のおかげで白い部分も持つことがあります。縞模様と白のバランスは、遺伝子の組み合わせによって変わってきます。
- はっきりしたタビー模様
- もし白斑遺伝子がそこまで強くなければ、タビー模様がより目立つ子猫が生まれることも。
- 白が際立つハチワレ
- 逆に、白斑遺伝子(はくはんいでんし)が強ければ、白い毛が多めで、他の色は少なめの子猫も出てくるかもしれません。
正直、遺伝子の世界はちょっと予測がつかない部分もあり、同じ兄弟でも全く異なる模様の子が生まれることがあります。だから、縞模様とハチワレ模様の組み合わせからどんな子猫が生まれるかは、ちょっとしたサプライズみたいなもの。どんな模様の子が生まれても、それぞれに個性があって魅力的ですよね。
>>白猫の魅力に迫る! あの美しい“白い毛色”が生まれるのはなぜ?
猫の見た目を決定する主な遺伝子
猫の見た目を決定する遺伝子は、白斑遺伝子(はくはんいでんし)以外にもたくさんありますよ。これらの遺伝子は、毛色、模様、さらには毛質にまで影響を及ぼします。
毛色に関わる遺伝子
- B遺伝子
- 猫の毛色が黒か茶色かを決めます。この遺伝子のバリエーションによって、黒、チョコレート、シナモンなどの色が決まります。
- O遺伝子
- オレンジ色(赤)の毛色を決める遺伝子です。この遺伝子があると、黒や茶色がオレンジ色に変わります。面白いのは、この遺伝子は性染色体上にあるため、オレンジ色のオス猫はよく見かけますが、メスでオレンジ色の猫はX染色体を二つ持っていないと実現しないため珍しいんです。
- D遺伝子
- 薄い色か濃い色かを決める遺伝子で、ダイリューション(希釈)遺伝子とも呼ばれます。この遺伝子によって、黒がグレーに、オレンジがクリーム色になるんです。
>>猫の模様と色・完全ガイド~遺伝子から見る毛のカラーパターン一覧リスト
模様を決定する遺伝子
- Tabby(タビー)遺伝子
- タビー(縞模様)の種類を決めます。マッカレル(細い縞)、クラシック(渦巻き)、スポッテッド(斑点)、ティックド(微細な斑点)など、いろいろなタイプがあります。
- Agouti(アグーティー)遺伝子
- 毛の根本と先端の色が異なる「アグーティ」効果(毛の中で色が変わる)が現れるかどうかを決めます。アグーティ遺伝子が支配的なら、タビー模様が現れます。劣性なら、単色の毛になります。
>>ベンガルという猫を知ってますか?誕生の歴史、容姿の特徴、性格などを完全網羅
毛質に影響する遺伝子
- L遺伝子
- 長毛か短毛かを決める遺伝子です。長毛は劣性遺伝で、両親から長毛遺伝子を受け継がないと長毛になりません。
- Rex遺伝子
- 猫の毛が巻き毛になるかどうかを決定します。これは特定の品種で見られる特性で、コーニッシュレックスやデボンレックスなどが有名です。
- Wire遺伝子
- この遺伝子は、毛が硬くて縮れたようになる「ワイヤーヘア」の特徴を持つ猫に影響します。
まとめ
猫の世界は本当に不思議で面白いですよね。一匹のお母さん猫から生まれる子猫たちがなぜこんなにもいろんな柄や色をしているのか、その秘密を少し解き明かしてみました。
多父性や多胚排卵のおかげで一度の妊娠でいろいろなパパからいろんな子猫が生まれることがあるんです。そして、それぞれの子猫がユニークな見た目を持つのは複雑に絡み合った遺伝子の力。縞模様のタビーとハチワレの両親から生まれる子猫たちはまさに自然のアートですね。
今回のブログを通じて猫の毛色や毛質の背後にある科学的な話が少しでも楽しく学べたら嬉しいです。猫一匹一匹には、その見た目に秘められた物語があります。これからも猫ちゃんたちを見るたびにその不思議で魅力的な遺伝の世界を思い出してみてください。
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